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ルアンパバーンの朝市

〜地元の人々の暮らしに触れる

ラオスの古都ルアンパバーンは、街全体が1995年にユネスコ世界遺産に登録されて以来、旧宗主国のフランスを初めとするヨーロッパから多くの観光客が訪れている。

有名な朝の托鉢だけでなく、他にもお勧めしたいのがルアンパバーンの「朝市」。ラオス語で「タラート・サオ」と呼ばれるこの市場は托鉢が終わった後ぐらいから始まるのかなと漠然と思い込んでいたが、地元の人に聞くと「朝4時半か5時には始まってるよ!」とのこと。

宿泊したゲストハウス前での托鉢風景を横目に見ながらメコン川沿いの一方通行の道に出て、下流側へてくてくと歩いて行った。朝市が開かれている小道に近づくと、時間は朝の6時なのに活気が伝わってくる。観光客が集まるナイトマーケットと違い土産物は無く、食料品が大半で雑貨が少しという生活感あふれる空間。小道両側の地面にゴザを敷いただけの店開きだ。新鮮な野菜や果物、魚が地面に並んでいるのを眺めながら歩いていくと、日本人の感覚からすると少々グロテスクに感じる「商品」に出くわした。

まずは、小動物いろいろ。写真のとおり開かれて焼かれて無残な姿になったそれの名前を聞いたが、女性のラオス語が聞き取れなかったので不明。
モグラ、コウモリ。こちらはまだ生きていて動き回っている。ラオス人の友人に聞くとコウモリの肉はオシッコ臭いので自分は好きではないが、ラオスではよく食べるとのこと。さらに「蛙は美味しいですよ。みんな大好きだから早い時間に売り切れるんです」と続ける。
他にはメコン川や支流のカン川で獲れた小魚やナマズ。オレンジ色の甲羅の沢蟹は竹の紐できれいに結ばれている。道端には販売台を設けて商品を並べた店舗もいくつかある。唐辛子などの調味料や加工品が多いのだが、なんと「豆腐、納豆、味噌」があった。なかなかよく売れているようだ。日本人の目に留まるモノは他にも「竹筒で炊いた米」「数種類のするめ(これはタイから持ち込んだらしい)」など。ラオス名物の麺類「フー、カオピヤック、カオソイ」の麺があったり、お米も赤、黒、白と豊富にある。

朝市を歩いていて気づいたのはやはりラオス女性の働き者ぶりである。売るほうも買うほうも幅広い世代の女性たちが大半で、男といえば荷物を運ぶくらいであまり見当たらない。子供たちもけっこうたくさんいて、母親の手伝いをしている。

朝市からゲストハウスへ戻ろうと通りに出ると、メコン川のほうから若い女性二人が獲れたてらしい魚をぶら下げて歩いてきた。「これは今朝釣ってきたの?」「そうよ、買ってくれる?」「買わないけど写真撮らせてくれる?」「いいわよ、(私を)きれいに撮ってね」と屈託がない。
タイ人とラオス人を比べて感じるのは、押し並べてラオス人の方が「よく言えば控えめ、悪く言うと無愛想」ということ。タイの女性たちのように派手な愛想はないが、遠慮せずに話しかければ親切に教えてくれる。これもまた旅の楽しみのひとつだと思う。


(写真1)他国と比べるとささやかな朝市

(写真2)無残な姿の小動物

(写真3)蛙は人気、他にもモグラ、コウモリなど

(写真4)私をきれいに撮ってね

写真・文: 城戸可路