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<少年 少女>と<ミスター ミス>

法律の改正により、この7月10日からタイの人たちが所持するIDカードは、15才から作っていたのを7才から作るようになった。
IDカードの名前の前につく敬称は7才から14才までが「少年、少女」で、15才になると「ミスター、ミス」になる。
ただ女性に限り結婚して籍を変えると「ミセス」になるのであるが、それがいやで結婚をしても籍を変えない人が多いと聞いたことがある。
大切なIDカードで、もし所持していないのが見つかった場合は200バーツの罰金を課せられる。
しかし多くの子供たちは母親に預けておくことになるので罰金はないようである。

7才から14才の子供たちは約800万人おり、カード発行にかかる費用は人件費を除いても2億バーツ(約6億円)以上ということで反対の声も上がっているようだが、大部分のタイの人たちには受け入れられているようである。
子供たちは大人が持っているものに憧れるので喜んでいるようである。
これまでは子供たちが国のサービス等を受ける場合は出生証明書か住民票を示す必要があったのが、1枚のカードになり便利になる。
この子供用IDカード、国と子供たちにどのような利点をもたらすのかは、内務省管理局の説明によると次のようである。
1.国民の情報を管理することでの国の安定
2.他人の権利を侵害する行為を防げる
3.医療、教育等の国のサービスを受けるのが便利になる

さて一番心配なのは孤児になった等の理由で、デック・レーローン<เด็กเร่ร่อน>と呼ばれるストリートチルドレンになる子供たちであるが、IDカードを作る機会がなく国のサービスを受ける権利がなくなるのでは、という点について、管理局は各自治体や協力機関の助けを借りてくまなく子供たちのIDカードを作ると言っているがどうなるのであろうか。

なお、識別に用いる13桁の数字には国籍の取得手順や登録地区の情報が収まっているということであるが、タイの人たちはこの数字を使って大好きな占いをやっているようである。

(2011年7月)

写真は1943年から使われた第一世代のIDカード。バンコクだけで使われていた。

文: 森田次郎