タイ ベトナム インドネシア 撮影許可 コーディネーション - Asia Production Service Co.,Ltd

コンテンツ一覧Home

ルアンパバーンのお正月「ピーマイラーオ」へ


ピーマイラーオ(ラオス正月)の不思議、それは年末年始の考え方にある。今年(2008年)の場合4月13日が大晦日、そして何と元旦は4月15日。ということは「4月14日はいったい何なの?」ということになる。実はこの日は古い年と新しい年を跨ぐ空白の1日なのである。ラオスには「行く年来る年」が丸1日あるということ。そして人々はそのことを別段意に介することもなく、ごく自然に受け入れている(ようだ)。

お正月イベントは4月9日の朝8時30分にスタートする。市内のタートルアン広場で物産展や市場が開かれ16日午後に終了する。翌日の4月10日には同じタートルアン広場にてルアンパバーンの歌手や踊り子によるショー(19時〜23時30分)。

4月11日と12日の2日間はこれまたタートルアン広場にてミス・ルアンパバーン・コンテストとラオス伝統音楽のショー(19時30分〜23時30分)が開催される。この「ミス・ルアンパバーン・コンテスト」はルアンパバーン出身の独身女性に出場資格があるが、実際には二十歳前の娘さんが美を競うようだ。ラオスの伝統舞踊が必須。予選・決勝ともに昼間から地元の美容院は髪を結い化粧をし、伝統衣装で着飾るうら若き娘さんたちで賑わう。たくさんの出場者の中から後のパレードで山車の一番高い場所に座る「優勝者」とその下に並ぶ6人の合計7人が選ばれて、一年間はルアンパバーンの顔として地元のイベントなどに登場する。

4月13日の午前中には市内の路上にたくさんの市(露店)が出る。この日は大晦日なので、ほとんどの家庭では朝から大掃除をする。そしてこれまたラオス正月の不思議、メコン川の中洲にて「砂の塔」つくり(13時〜17時)が執り行われる。午後の灼熱の太陽の下、ジリジリと熱気に焼かれながら家族や仲間で砂の塔をつくり祈りを捧げる。新年に向けての伝統的儀式だ。酒を酌み交わし、お互いの顔に白い粉や墨のようなものを塗りあう。暑さのあまり服のまま川に入って泳ぐ若者達も多い。

「空白の1日」である4月14日の13時からはメイン大通り(シーサワンウォン通り〜サッカリン通り)にあるワット・タートノイからワット・シェントンまでを大勢で練り歩く「ラオス正月のパレード」がある。これがピーマイラーオの目玉その1である。

元旦の4月15日は早朝6時からプーシーの丘の頂上にあるタート・チョムシーで新年を祝うバーシーの儀式があり、午後にはまたパレードがある。今度のパレードは前日の逆のルートになる。普通に考えるとここまでで「お正月は終わり!」と思うだろうが、何とまだまだ伝統行事が続くのだ。この日の夜には「ナーガ(龍)の儀式」が執り行われ、王宮博物館ではラオス伝統舞踊が奉納される。これは通常、博物館となりの劇場で上演されているショーを博物館広場で観劇するもの。博物館があるシーサワンウォン通りは毎日夕方から歩行者天国になり、数え切れないほど多くの露店がでるのだが、どの店も控えめな明かりなので一帯は幻想的な雰囲気に包まれる。

そしてピーマイラーオの目玉その2は4月16日に見ることができる。普段は王宮博物館にあって遠くからしか見られない「パバーン仏(黄金の仏像)」がこの日に外に出され隣のワット・マイに安置され、新年の水掛けがおこなわれるのだ。水掛けはパバーン仏が博物館に戻される4月18日の朝まで続けられる。

お正月(ピーマイラーオ)の伝統儀式の様子が方々で見られるルアンパバーン、とはいえ近年はタイの影響か、はたまたタイより暑い気候のせいか日中に街中へ出ると若者たちに水をぶっ掛けられるので注意は必要である。



(写真1)  これが黄金の仏像「パバーン仏」

(写真2)  大晦日の砂の塔つくりは大勢が繰り出す

文・写真: 城戸可路