ゲーンソム - Asia Production Service Co.,Ltd.

Asia Production Service Co.,Ltd.

ゲーンソム

ゲーンソム

この原稿が載る時は多分まだ日本は冬でしょうねぇ。でも筆者が住んでるのはタイなので朝夜はともかく、お天道様が顔を出すと暑いんです。今の時期でも。
東南アジアロケではえらい蒸し暑い目に遭会うことが度々。
スタッフもダウンしゃって「えらいこっちゃ」ってなる事も多々あります。通常まぁ休憩+栄養補給って事で栄養系ドリンクで復活してもらうのが常です。
しかしながら食欲が落ちるのが更にネックです。

暑い時は食欲も無くなる。食事作る気も失せる。まぁ作る気が失せちゃうとどうしょうも無いのですが、そんな食欲の無い時に家族(疲れているご自身ではなくあくまで余力のある人に作ってもらいましょう)に作ってもらうタイ料理(インドカレーに負けるな!!)をご紹介・・・。、
ってここまで書いてなんなんですが、いやね、別に寒い冬でオコタに入って、鍋風に食べてもぜんぜんかまわないんで
すけどね・・・。カレーって言うとトロりとしたイメージがどうしても先行しますが、タイのカレーはスープ状態なん
ですよねぇ。
これなんて正直変則キムチ鍋に近い感じがあります。

では!
名付けて(別に私が作成者じゃないんだが)ゲーンソム!
直訳で酸っぱいカレー!!
なんじゃそりゃ!等と言わないで、大根が一杯入ったタイ式酸っぱいカレーをぜひお試しください。

基はタイ南部料理で、初めて食べると口の中がもちょこくなり続いて非現実的な酸味が口の中を襲い、とどめにとんでもない辛さがまるで「左回頭90度!全砲門撃て!」ってな感じで食べた人を撃沈してくれます。
そもそもタイ南部の料理は味濃い目で辛さがかなりなものです。
ってな訳でここではバンコク風にアレンジされたゲーンソムをご紹介します。

そもそもどんな料理かといいますと、ゲーン=カレーって言うより、皆さんご存知のトムヤムクンのエビの代わりに魚を、ふくろたけの代わりに大根をぶち込んだものです。見た目は真っ赤っ赤の汁になんかに崩れた野菜が浮いてるぞ~~~って感じですが、まぁまず作ってみましょう。

用意するもの(今回も箇条書きでいったる)
*魚の切り身
(白身魚がよいとよく書かれるが、別に何でもいいと筆者は思う。さらに言えば切り身でなくぶつ切りで
も良い。その方がうまかったりする)
*魚1匹   
(安くて、臭みの少ないやつがよろしい。つまり、川魚はやめておこう)
*大根
(よく、足の太い人がこれに称えられるがまったく失礼な話である・・・大根に対して(ぇ?)。薄い半月切りにしておく)
*さやいんげん
(インゲン豆とかインゲンとかサヤエンドウとか勝手に名前を付けられ非常に迷惑したろうな・・・)
*白菜又はキャベツ
(どっちも高い時は異常に高い野菜。お好みで)
*タマリンド
(食べ過ぎると下痢をするマメ科でトロピカルフルーツの一種。成熟してジャム状にした果肉にはコクの
ある酸味がある。調味料として使う場合、水につけてふやかしておく。これをタマリンドペーストと呼ぶ)
*カピ 
(タイ料理に欠かせないエビ味噌である。専門店に行けば必ず見つかるのでがんばってみよう)
*小赤たまねぎ
(小型の赤い皮を持つたまねぎ。東南アジアでは極普通にある。日本でもピクルスにする人が居るから絶対にあるはず)
*ナムプラー 
(もうこれの説明は飽きた)
*さとう 
(字が違うがこの名を冠した日本人の数はかなりいる)
*唐辛子  
(今回は鷹の爪でOK)


まず、小赤たまねぎをフライパンで炒る(4個)。
表面は焦げてもOK。で、取り出してフードプロセッサー(以降ミキサー)に入れておく。
ミキサーの中にカピ小匙1と唐辛子5~6個をぶち込みスイッチオン。がーッと赤い物体ができるはずです。黒くなってもそれはそれ。
魚1匹を茹で上げ、身を毟り取る。骨もちゃんとどけておきましょう。で、この身も更にミキサーの中へレッツゴー。
更にがーッとしておきましょう。

ちょっと大きめの鍋で湯を沸かします。沸騰したら、このレッドチリ魚ペースト(笑)を全部ぶち込みます。
軽~くかき混ぜ、切り身又はぶつ切りにしたお魚を入れます。魚を入れたらかき回さないように。
で半分ぐらい火が通ったら半月切りにしたダイコンさん、適当な長さにしておいたさやいんげんさん、適当な大きさに
しておいたキャベツ又は白菜を入れて、大根に火が通るまで煮ておく。
野菜に火が通ったら焦げないようにしてかき混ぜる。

で、味付けですが、ナムプラーで塩味を整え、砂糖で甘味を加え、タマリンドペーストで酸味を加えます。
酸味の基準は、だいたい、アンズまたは、冷やし中華のタレぐらいを考えておいて下さい。
味を見ながら追加していってください。
好きな人はもっと酸味を効かせても大丈夫です。で、もうちょっと煮ます。少し煮詰まってもいいぐらいです。

さてさて、この時点で鍋の中は何色になってますか?
オレンジから真っ赤っ赤なら大成功。色がついてない人は、唐辛子ペーストをぶち込みましょう。
深皿にとって出来上がり。

付け合せは過去ご紹介した「カイチヨ」というナムプラー入りのタイ風玉子焼きが最高。ご飯に卵焼きを取って、その上からゲーンソムをぶっ掛けて食べましょう。
美味しいですよ・・・たぶん。

南部風にどぎつくしたい人は、チリペーストにターメリックを大匙1、唐辛子追加で後5本、タマリンドペーストの量を、「あっ、ペースト入れておいた皿ごと鍋におとしちゃった」ってぐらい入れる感じで・・・。
なお、高血圧の人、心臓の弱い方、辛いものが食べられない人は、この南部風は絶対におやめください。

文:おもだか まさし

アジア旨いもの紀行


 Past >>