ブンチャー - Asia Production Service Co.,Ltd.

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ブンチャー

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花粉症が激しくなってくるこの頃、皆様どの様にお過ごしでしょうか。
花粉症といえば筆者の母もそれなのですが、彼女に症状が出たのは私が小学校2年生の頃だからもぅ36年も前の話です。まだまだ社会的に無名に近かった花粉症。うちの母は時代を先取りしたわけですね(違

で、時代の先どりというか流行ですが、ラーメンの食べ方につけ麺というのがあるそうな。これも筆者が日本にいた頃(30年以上前の話ですが)、近所の店で一件だけやっていました。普通に麺とスープが分かれてるだけの非常に食いにくい物だった記憶があります。

で(また「で」かよ)このつけ麺ですが、昨年末ベトナムに取材に行った時、ロケハンで町を歩いてた時に現地法人でフリー雑誌を発行してる云々という日本の女性の方に、ベトナム首都ハノイの日本語版地図をもらったのです。食堂の情報も書いてあり、その中で「まさにベトナムのつけ麺!」と書かれていた文章が目に止まりました。
なんじゃらほい、とよく読むと「ブン・チャー」の事でした。自分もブン・チャーを食べた時の記憶を思い出し「ああ、あれはたしかにベトナムのつけ麺と言えるのぅ」と思ったのです。
えー、一人で納得してないで「ブン・チャー」とは何かと?説明するべきでしょうか?
えっ?有名だから必要ない?
でもある程度書かないと原稿料が出ないのでちょっと書かせて下さいませ。

ブン・チャーはブンという米から作った細い麺の事。米を砕いて粉にし、水に漬けて発酵させます。
それを練って、トコロテンの用に熱湯に押し出して作ります。
チャーはお茶の意味・・・では無く、肉団子系の物の意味になります。
基本はこのブンという麺に、チャーという肉団子、そして山盛りの野菜(主にサニーレタス)をつけ汁と一緒に食べます。
肉団子は団子というより平べったいミートボール。そして豚さんのスペアリブ照り焼き味のぶつ切りが付いてきます。オプションでベトナム春巻きもオーダー可能だったり、ハノイで一番有名店は蟹肉入り春巻きがデフォルトで付いて来ます。
タレはニョクマムを水で割って塩味を調整し、砂糖で甘み、酢で酸味を加えた物に、青パパイヤと人参のスライスが漬かった状態で出てきます。
つまり、ブンチャーをオーダーすると、自分のテーブルの上に 山盛りのブン、それなりの量のお肉達、おわんに入ったタレ、空のおわん、山盛りの野菜が乗った皿が最低でも並びます。
正直初めて見た時は「どーやって食べるんだこれ??」ってなります。そーゆー時は周りの現地の方を見ましょう。

まずこのブン、お互いにものすごく仲良くへばり付いてます。結婚式の引出物にでもいいんじゃないか?ってぐらいくっついてます。
箸で適量とろうとすると「あなたと離れるのなんて絶対に嫌ァあ嗚呼!!」と聞こえそうなぐらい付いて来ます。
これを無視して(指でちぎって)空のおわんへ投入。そしてレンゲでタレをすくい、ブンの上にかけます。
するとあれほど引っ付いていたブンがホロホロと離れます。
そして山盛りの野菜から好みの野菜を手に取り、これもちぎってお椀へ、そして音を立てずに食べ始めます。
途中愛しのお肉達をつまんではかじり、麺を食べ、野菜を食べを繰り返します。
お店には追加調味料でニョクマム、みじん切りの唐辛子、みじん切りのニンニク、追加のタレが置いてあります。
好みで自分のタレを改造しましょう。尚、ベトナムの唐辛子、油断するとものすごく辛いですから注意です。
基本的に冷たい食べ物に分類されます。夕食よりお昼ごはんとしてポピュラーです。

これからどんどん暑くなる時期です。
日本ではソーメンの出番が増えますが、食べ方がパターン化してしまうのがソーメン。
そこでこのソーメンを使用してベトナム風のつけ麺「ブン・チャー」をお試し下さい。
山盛り野菜はサニーレタス、青シソ、万能ネギ、バジルの葉っぱ、ミントの葉っぱ等が普通ですね。

文・写真: おもだか まさし

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