バインセオ - Asia Production Service Co.,Ltd.

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バインセオ

バインセオ

生まれて初めて食べたお好み焼きは今考えると広島風でした。薄く生地を焼いて、その上にキャベツを置いて、豚肉スライスを置いて、その上に生地をもう一度かけてしばらくしてからひっくり返して云々。
よくもまぁ東京の池袋に住んでて初めて食べたお好み焼きが広島風だったもんだと、今にしては思います。何しろその1回以降後は全部大阪風の全部混ぜ混ぜして一気に焼くタイプでした。

今回も前回に続いてベトナムからの食べ物のご紹介。
話の流れでなんの食べ物かすでにわかってる人にはわかってると思いますが、無視して続けます。
今回ご紹介するのはベトナムでも南部地方での名物料理バインセオです。別名ベトナム風お好み焼き。
皮がやたら薄っぺらいのですがサイズがデカく、一人で一個オーダーすると持て余す可能性が大です。
さて、このベトナム風お好み焼き「バインセオ」ですがどんなモノかというと・・・まぁお好み焼きとしか言いようがないですが、作ってるところをみるとかき揚げに近いかも、とは知り合いのカメラマンの言。

まず生地ですが これも東南アジアの特徴で米から作った粉を使用します。そこにターメリックパウダーが入って、ココナッツミルクが入ります。水で溶くと黄色っぽくなります。この時点ではそんなに色はわからないのですが、火を通すとやたら黄色くなります。
お店によって色々違うのですが、今回紹介するのはホーチミン市でこのバインセオで一番有名店の作り方です。

当然ながら詳しいレシピは秘密。特に粉の配合は秘密だそうで・・・。
まぁ見た限りホットケーキよりゆるかったですので、お試しになる方はとにかくパリっと薄く焼ける様な配合を考えるか、ぐぐって下さい。

では、熱くしたフライパンにちと多めに油を流しこみ、各種具の登場です。
バインセオの具ですが まず茹でた豚のバラ肉のスライスのぶつ切り。大きさ3cm四方程度でしたかね。1個につき大体4~5枚をさっきのフライパンに投げ入れます。
いや、本当に投げ入れるんですよw

そしてスライスした玉ねぎをこれまた適量投げ入れます。
いやだから本当に投げ入れるんですよ。
そして殻付きのまま茹でた小エビさんを大体3匹ぐらい、これまた・・・えーっと投げ入れます。

で、そこに生地をおタマですくって入れます。そしてフライパン全体に薄く伸ばします。
そして重要アイテム。茹でた緑豆。これが入ってるのと入ってないのではまったく別物になりますので、作ってみようかなぁと思ってる方は是非ご用意下さい。
緑豆とはなんぞや? 
それは春雨の原料となる小さい豆であります。皮は緑っぽいですが茹でて皮を取り除くと黄色いお米サイズのお豆さんです。
そしてこの緑豆を軽る~く一掴みとって・・・どうしても投げ入れます。

投げ入れた方が具が全体に散って丁度いいらしいですよ。
で、さらにその上にもやし一掴みをごそっと乗せます。生だとどーも青臭いという方は軽くゆがいた物をご利用下さい。
そして溶き卵を上からかけます(あ、これは投げ入れないんだ)。かけない時もあるのでオーダーによるのかもしれません。
で、このフライパンより2回りほど小さい蓋を用意して、主にもやしの上を目指して蓋をして火を弱めます。
現実を見ると結構長い時間蓋をしてたんですが、凡そ2~3分ぐらいですかね。

えーここまで行きましたら、先ほど私の知り合いのカメラマンの一言「どっちかってーとかき揚げ?」って言葉を思い出してくださいね。
火を強め、蓋を取り、約おタマ1杯分の油を先ほどのフライパンに回すように投下。この油で全体を浮き上がらせ、パリッとさせます。
そーしたら後は半分に折って、すくって十分に油を切って、お皿に乗せて出来上がり。

ベトナム恒例の大量の野菜達を用意しておきます。大きめの葉っぱが便利です。現地では最近白菜も登場してきたようです。
このバインセオを箸でバリバリと突き崩しながら切って、葉っぱに乗せてタレに付けて食べます。

このタレもベトナム恒例、水で塩味を加減したニョクマムに砂糖、ライム、千切り大根、千切り人参、みじん切りのニンニク、みじん切りの唐辛子を入れた物をご用意。味の加減は各自の好みで。ベトナム南部の味は甘みが強いです。

薄い皮がパリパリと香ばしく、そして緑豆がボリュームとちょっとしたシツコサを演出。普通に食べてますと葉っぱの方が先に終わりますので、十分な量をご用意下さい。

うーん、どーみても普通にお好み焼き作ったほうが簡単なような気がするなぁ・・・・

文・写真: おもだか まさし

アジア旨いもの紀行


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