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プノンペン実景

プノンペンのスラムはポル・ポト政権が崩壊した1979年頃から全国の貧困層が流入してきて目立つようになった。
2005年にはプノンペンだけで約700カ所のスラムに20万人近い住民がいた。当時のプノンペンの人口がおよそ100万人と言われているので2割がスラムに住んでいた計算になる。
2006年頃からプノンペンはタイや中国、韓国、欧米の資本が入り大規模な再開発がスタートした。スラムの住人は強制退去、強制移住させられその数は減ったが、今も町中のあちらこちらにスラムが残っている。

ここは川沿いのスラム。路地一本の周辺にバラック(掘っ立て小屋)がぎっしりと建ち並んでいる。
今や旅行会社やNGO団体が主催する「スラム(見学)ツアー」まであるせいで、突然の部外者の訪問にも誰も驚かない様子。

横を見ると家の前で何かショッキングピンクの物体を串刺しにして大ざるに乗せている。よく見ると蛇のようにも蛸の足のようにも見える。これはいったい何だろう。訊こうとしたら主はこちらを一瞥して家の中に引っ込んでしまった。

一方、子供達は明るく元気いっぱいでカメラを向けると「撮って撮って」と大騒ぎだ。
頭の上で声がするので見上げると、壁がない家のベランダ(のような窓のような)に二人の子供がいてせっせと掃除をしている。東南アジアの子供達はいつでもどこでも働き者である。
ふと密集した家の奥を見ると2階の小さな窓から若い娘がこちらを見ていた。手には櫛を持って身支度中の様子。カメラを持ち上げて「撮ってもいい?」をジェスチャーすると恥ずかしそうに頷いた。



(2010年9月 カンボジア・プノンペン)

写真・文: 城戸 可路