パックブン・ファイデーン - Asia Production Service Co.,Ltd.

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パックブン・ファイデーン

パックブン・ファイデーン

今回は空芯菜の炒め物。タイ語で〝パックブン・ファイデーン〟。

タイにロケに来たスタッフは、絶対に一回は食べている野菜炒めであります。
ほら、あの油ぎった細い緑色の野菜炒めです。決して韮ではありません。
この野菜炒めがなければ、タイ人の八〇%が鳥目になっているだろうと言われるほどビタミンが豊富であります。この野菜、英語でいうと「もーにんぐ・ぐろーりー」。
つまり朝顔です。実際朝顔系の水草の一種で、ほとんど雑草のように生えています。
市場でもかなり安い値の野菜の一つであり、他の野菜が値が上がってもこの野菜の値段はまず上がらないと言われています。

実はこの空芯菜は二種類あります。炒め物に使われているものは中国種で、葉が大きく、茎が細いもの。普段はこちらを食べてます。
次にタイ国種というものがあり、これは中国種とは逆に茎が太く、葉が非常に小さく、炒め物ではなくカレーの具になります。
その他、チャプチャイ(豚肉と野菜の中国醤油煮込み)の具にもなっていて、とにかく、煮込まないと硬くて食えん!というのが本当のところです。
はい、恒例のレシピです。今回は30秒で出来上がります。
買い物の時間を入れると、二時間ぐらいかな? 
空芯菜を自分の食べる分だけご用意下さい(もちろん中国種ね)。
よく洗って水気を切ります。このときに茎の中に虫がいないかちゃんとチェックしておくこと。
中が空洞なので、よく芋虫系の虫くんが「極楽極楽」といった感じで住んでいることがあります。

大き目のお皿に空芯菜を片手一掴み乗せて、ニンニクを叩いて潰したものひとかけ、塩小さじ1。醤油大さじ1。オイスターソース大さじ1。
ドウチー(大豆の粒々が残る中国味噌大さじ1)無ければ、味噌をみりんで溶いたもの大さじ1を直接空芯菜にかけておきます。
そして、思いっきり強火で中華鍋を温めます。煙が出てきたら、油大さじ2を入れます。
前記の材料をそこにぶち込みます。
ここでご注意!熱した鍋に材料を入れますと、鍋が一瞬火を噴きます! 
くれぐれも火傷しないように気をつけて下さい。
このパックブンファイデーンの〝ファイデーン〟は直訳すると「真っ赤な炎!」という意味なのです。
鍋の方は、ザッザッとかき混ぜて約十秒ででき上がり。
そのままお皿に移して、熱いうちにフーフーしてご飯と一緒に、またはお酒と一緒に頂きましょう。

ちなみにタイ本家のパックブンファイデーンは、生の唐辛子を三~四本入れます。
しかもなぜか緑色のやつを!
かくいう私も「なんかこの野菜炒め辛いなぁ~~」なんて思っていたら、実は唐辛子をかじっていたことがあります。
緑色のパックブンに緑の細長い唐辛子を入れても見えないよねぇ~。
現地コーディネーターに「絶対に辛くありませんから大丈夫です」とか言われて、安心して食べたら椅子から飛び上がったなんて人は、結構いたりするかも知れませんね。
ごめんなさいね。

写真・文:おもだか まさし

アジア旨いもの紀行


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