ペーパー・チキン - Asia Production Service Co.,Ltd.

Asia Production Service Co.,Ltd.

ペーパー・チキン

ペーパー・チキン

いつもタイばっかりなので、たまには海外のネタをということで、今回はシンガポールにしてみました。
実はロケでシンガポールに行ったのですが、そのときに食べた料理が非常においしかったので皆様にもご紹介させていただきます。

題して「紙の鶏」。とはいっても折り紙を折るわけではなく、紙に包まれた鶏肉を食べるのです。油紙を名刺サイズにしたものを袋状にして、秘伝のタレに漬け込んだぶつ切りの鶏肉(結構厚めです。)を入れ、油で揚げるだけなのですが、これがものすごく旨い。

分厚い鶏肉に何の抵抗も無く歯が通り、肉汁が口の中に溢れ出します(ホラ、おいしそうでしょ)。
こんなに柔らかくていいのか!と、おもわず口の中に鶏肉が入っているのを忘れて叫んじゃうぐらいです。
その料理を出しているレストランはヒルマンという名前です。
詳しい場所はAPSまでお問い合わせ頂くか、地球の歩○方をご参照ください。

そのレストランは全然立派には見えませんが、食事どきはいつも大勢の人で一杯。
ロケのときはわざわざ時間をずらして行ったものです。
さて、肝心の紙鶏、ペーパーチキンといいまして、なんでもかのポール・ポキューズが一度食べて以来、シンガポール滞在中に毎日食べに来たという逸品。
さらには懐石料理の超有名店、京都の〝瓢亭〟のご主人も食べに来ていました。
なんでそんなことを知っているかというと、ここのオーナーが有名・著名人から名刺と食後の感想をもらって、サイン帳のようにしているのです。
ちなみに我々撮影隊もしっかり書き置きしておきました。

お店のオーナーに作り方を聞いたところ、さすがに秘伝のタレの配合はダメでしたが、いかにおいしくジューシーにするかはあっさり教えてくれましたので、ちょっとご紹介。
まずは、鶏肉をたこ焼き二個分の大きさ程度にぶつ切りします。

これをタレに漬け込むわけですが、我々の場合は、醤油、酒、みりんあたりを個人の好みで混ぜたタレでよいのではないでしょうか。そこに最低でも四時間ほど漬け込みます。
油紙を袋状にしたものをご用意ください。大きさはご自分で用意した鶏肉が余裕で入るぐらい。
そこに鶏肉を入れてねじって封をしたものを十個ぐらい作ります。

さて、中華鍋でもてんぷら鍋でもご用意ください。
そこに揚げ物をする程度の油を注ぎ込み、約170度まで温めます(普通のてんぷらは180度から200度で揚げます)。
そこに袋入りの鶏さんを五個ほど入れて、じっくり約四分間揚げます。
温度は170度以上にはしないように。つまり大きめに切った肉と、それをじっくり低音の油で揚げるのが、柔らかくジューシーに作るコツだそうです。
揚がったらお皿に並べてでき上がり~。

アツアツのご飯に、鶏を袋ごと取ってご飯の上で袋を破いてください。
袋の中に溜まった肉汁がご飯にしみて、それだけでもおいしくいただけます。
次に柔らかい鶏肉と一緒にほおばってください。一人四個は軽く食べられちゃいます。
…ちなみに、私は初めて食べたときに紙袋ごと食べてしまったのですが、オーナー曰く「日本人のお客さんの三人に一人はそれをやります」だって。
皆さん、ヒルマンに行ったときは、必ず紙袋を破いてから!頂きましょう。

写真・文:おもだか まさし

アジア旨いもの紀行


<< New   Past >>