カオマンガイ - Asia Production Service Co.,Ltd.

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カオマンガイ

カオマンガイ

タイではカオマンガイですが、マレーシア・シンガポールに行くと海南鶏飯(ハイナンチキンライス)と書かれおり、地元では略して「ガイハン」と呼ばれています。

ところで、このカオマンガイですが非常にシンプルな料理で、茹でた鶏肉をぶつ切りにして鶏の油を使って炊き上げたご飯にそれを乗せてタレをかけて食べるだけという実に単純な屋台飯の一つでもあります。が、筆者は個人的に東南アジアを代表する最高の料理の一つであると思っています。

このカオマンガイの店は、どこも店の前のショーケース(と言ってもガラス張りの箱のようなものですが)に丸ごと茹でた鶏さんが吊るされているのですぐ分かります。吊るされている鶏はタイミングによっては見事にまん丸だったり、また真っ二つになってたりと、まぁいろいろですが・・・。

ところが、シンプルな料理だけあって、いざ食べる所を探すとなると「わが店こそ一番!!という店がそこら中にありますが、その味は千差万別です。
みすぼらしい屋台であっても「ぉおおおっ!! こりゃいける」という味もあれば、店構え良くても「何じゃ、こりゃ」というのもあります。ですから、これはもう食べ歩いて自分が気に入った店に当たるしかありませんね。

では、このカオマンガイの作り方ですが、まずは、これ用のご飯が大事なのです。皆さんは、鶏を丸ごと煮て、それを煮た時に出来たスープでご飯を炊けば良いと思うでしょうが、ところがそうではないんですね。
カオマンガイを正式に書くと、カオ・マン・ガイとなるのです。カオは米、マンは油、ガイは鶏という意味になります。

自宅で作る場合は、鶏を丸ごと内臓も詰まった物を購入し、店で内臓を取り出してもらいます。そのとき鶏の体内にある<メタボ油>を分けておいてもらいます。そして、お尻の部分、ボンボチといいますが、そこを崩さないように丁重に扱ってもらいます。
そして、先ほどのメタボ体内脂とボンポチを中華鍋で炒めて油を出します。
タップリ取れたらそこに、みじん切りにしたニンニクを入れて香が立つようにじっくり炒めておきます。そこに、洗った米(最近はすでに洗ってある米があるんですってねぇー)を入れて米を炒めます。透き通ってきたら塩少々を混ぜ炊飯器に移して、別にゆでた鶏肉から出来たスープを入れて炊きます。

そこで鶏本体ですが、内臓を抜いて、一度綺麗に洗った鶏を炊飯器に入れます。
事前に半分に割っておきましょう。首は邪魔なら、切り落としましょう。そして、これも炊飯器へ。そこに沸騰した水に塩を少々入れたものを流し込み蓋をして保温スイッチON!にします。保温のために。鶏のサイズによって少し時間は異なりますが、そのまま1時間~1時間半ほど置き、これで良い感じに熱が通ってぷりぷりの茹で鶏になっていれば完成です。

そして炊き上がったご飯に、先ほどの茹で鶏を自分の好きな所を切って、ご飯に乗せて食べます。

実は余談ですが、タイのカオマンガイとマレー・シンガポールのガイハンとの一番の違いはこれを食べるためのタレなんです。

マレー・シンガポールは唐辛子をすりつぶして酢と塩と薄口醤油と合わせたタレと、ショウガの摩り下ろしとみじん切りにしたネギを合わせ、それにごま油を入れて練った物と、更に自分の好みで中華醤油をタレに加えて食べます。比較的あっさりしています。

タイのカオマンガイのタレは、大豆の形が残ったままの液状味噌をベースにそこに甘いたまり醤油、酢で味を調整して唐辛子、ショウガ、ニンニクのみじん切りを加えて、よーくかき混ぜてたもので、どっちかというとこってりしています。どっちが美味しいかは、その人の好み次第でしょう。

最後に、筆者を含め痛風持ちの諸兄は、カオマンガイ食べるのは、お控えなすって。下さい。

文・おもだか まさし

アジア旨いもの紀行


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